姉から貰った勇気(ラブライブ!サンシャイン!! 2期9話 ピンポイント考察)
5/18日まで、youtubeのラブライブ!シリーズ公式チャンネルにて無料公開中の
アニメ「ラブライブ!サンシャイン‼︎」
こちらの1期・2期 全26話の中で、私が一番オススメしたいのは2期8話・9話のいわゆる"函館回"です。
ミスによるまさかの予選敗退という、悔やんでも悔やみきれないかたちでスクールアイドルとしての限られた時間を絶たれてしまった Saint Snow。姉妹同じグループで活動しているという重なる境遇を持つルビィは、彼女たちのためにできることを考え、同じ1年生の仲間たちとともに行動を起こす、というお話でした。
黒澤姉妹の絆を感じられる名シーンの連続には、私自身はもちろん皆さんも毎回涙を堪えるのが大変なのではないでしょうか。
それらのシーンの中で、特に私が愛してやまないのが2期9話「Awaken the power」の 〈選考会でルビィと理亞が面接に臨むシーン〉 なのですが、さてここで一つ皆さんに質問があります。
「そっか…ルビィ、ずっと勇気を貰ってたんだ。お姉ちゃん…」
このルビィのセリフとともに、彼女が回想するいくつかの過去の場面。
ルビィは一体 "どういう勇気" を、それぞれの場面でダイヤから貰っていたのでしょうか?
いつもこのシーンを観るときは必ずと言っていいほど、幼少時の回想シーン(もしかしたらイメージの具現化というだけで実際の出来事ではないかもですが…)で、ダイヤがルビィの額に《勇気のおまじない》を贈る場面で感情になってしまって思考を放棄しがちなのですが、この問題をなんとか解き明かすべく、早送りなどを駆使してダメージを抑えながら自分なりに考えてみました。
それでは、私が思う "ルビィが姉から貰った勇気" について、話していきましょう。
スクールアイドルを志す勇気(1期3話「ファーストステップ」)
(Youtube視聴メモ 1期1話〜3話 1:08:25〜)
最初の回想シーンは、1期3話
千歌たち2年生だけのAqoursが、初めて開催した体育館ライブ
トラブルがありつつも、結果的にお客さんも集まってライブは成功!
意気揚々と宣言をする千歌たちの前に立ち、「勘違いしないように」とリアルな視点から鋭い指摘を言い放つダイヤの姿でした。
いきなり難問ですね。
物的な位置関係でいえば、このときのルビィは沢山の観客の中の一生徒であり、ダイヤから直接言葉を送られてはいないのです。
そこで私は少し視点を変えて、この場面でのルビィの心情を考えてみました。
ルビィは千歌たちのライブを、もしかしたらあの場にいた誰よりも楽しみにやって来ていたのではないでしょうか。
家族を応援したい、可愛い子が誘ってくれた、地元のよしみだから etc. と様々な理由で集まった沢山のお客さんがいましたが、ステージ上の千歌たちに対して 憧れ の感情を抱いていたのは、あの中でルビィだけだったんじゃないか、と私は思うのです。
"憧れている" ということはつまり、ただ "応援している" 人と比べて、対象との心の距離がより近づきます。
あのときのルビィは、ステージ上の2年生たちにとても感情移入していて、彼女たちの喜びや願いが自分事のように思える、そんな状態だったのではないでしょうか。
そんなときに投げかけられた、ダイヤの現実から目を背けることを許さない、一見厳しい言葉。
あれは決して意地悪なんかではなく、彼女なりの一つの激励だと私は思っています。
スクールアイドルを志す道、伝説の女神たちの言葉を語って、彼女たちの背中を追いかける道を歩む覚悟を、ダイヤは試していたのでしょう。
そして千歌たちと感情を共にしていたルビィにも、その言葉と想いは伝わり、スクールアイドルを志す勇気を、彼女に与えたのではないでしょうか。
くやしがる勇気ー1期8話「くやしくないの?」
(Youtube視聴メモ 1期7話〜9話 33:40〜)
次に回想されるシーンは1期8話
東京でのイベントを終え、得票数 "0" という情けない結果と Saint Snow からの強烈な言葉を抱えて沼津に帰ってきたルビィたち。
出迎えに来てくれた学校の仲間たちは、しかし実情とは裏腹に、純粋な期待に満ちた眼差しで、彼女たちへ力強くも胸が痛む言葉をかけてしまいます。
そんな中、同じく出迎えにやってきた姉のダイヤ
その眼にはいつものような厳しさは無く、ただただ深い慈愛が満ちています。
そしてかけられるのはたった一言だけの、しかし優しい笑顔を添えた "おかえりなさい"
そんなダイヤを前にして、ついにルビィは涙をこらえられずにその胸へ飛び込みます。
東京から沼津への帰り道。
千歌はくやしがる仕草をあえてひた隠しにして、リーダーとして強くあろうとし続けました。ルビィをはじめとする他のメンバーもそんな彼女に倣って、ネガティブな気持ちをどうにかこうにか心のうちに押し込めていたのでしょう。
でも、ダイヤのくれた温かい微笑みと優しい声は、そんな強張ったルビィの気持ちを優しく包みこみ、胸に抱えていた本当の感情を、悔しさ をさらけ出すことを許してくれたのです。
素直な感情のままに泣きじゃくるルビィに対して、ダイヤはもう一つだけ言葉をかけました。"よく頑張ったわね" と。
悔しいのは頑張ったから。その悔し涙はきっと次の成長の糧になる。
そんな想いが感じられる一言だと思いました。
同じ夢を目指す勇気ー1期4話「ふたりのキモチ」
(Youtube視聴メモ 1期4話〜6話 7:40〜)
さらに回想は続きます。
次に思い出されるのは、かつて二人が純粋にスクールアイドルに憧れ、好きを語り合っていた時間の記憶
「ルビィは花陽ちゃんかな~♪」
「わたくしは断然エリーチカ!」
そんな風にいつも和気藹々と話した楽しい記憶
「二人同じグループでスクールアイドルをしたい」という願いはそうした日々の中で自然と生まれ、その願いこそが、"スクールアイドルになりたい" という気持ちの一番の原動力だったのではないでしょうか。
大好きなスクールアイドルに、大好きな姉と一緒に、自分もなる
憧れ を 夢 に変えるための勇気を持つことができたのも、姉が一緒に居てくれたからなのです。
自分だけで歩く勇気ー2期8話「HAKODATE」
(Youtube視聴メモ 2期7話〜9話 39:01〜,42:30〜)
そして次にルビィが思い浮かべるのは、まさにいま成し遂げようとしているサプライズを決意するきっかけとなった、あのベンチでの会話。
姉と共にスクールアイドルでいられる時間を失ってしまったことに、深い悲しみを抱く理亞を見たことで、この先必ず自分にも訪れるその時を想像してしまい、込みあげてくる寂しさに打ちひしがれるルビィ。
妹からの至上の愛を受け取ったダイヤは、しかしその想いに同調することはなく、彼女の成長を言祝ぎます。
かつて目指した、ふたり一緒にスクールアイドルになるという希望を叶え、たとえ僅かな時間であっても、まさに夢のような日々を過ごしたことは、ダイヤにとっても最高の幸せでした。
でもそれ以上に幸せなことがあった。
それはルビィが、自分が居なくても、別々でも、頑張って姉の力なしで何かを成し遂げてくれること。
だからルビィには、もっと沢山の夢を叶えてほしい。
私たち姉妹の夢だけじゃない、彼女自身と彼女の仲間たちとで見る夢を、もっと。
そんな姉の願いを、想いを受け取ったルビィの心には、かつて二人でともに抱いた勇気の代わりに、自分だけで歩く勇気の灯(ともしび)が輝きだしたのです。
イマを輝くための勇気ー1期9話「未熟DREAMER」
(Youtube視聴メモ 1期7話〜9話 1:06:34〜)
最後に彼女の瞼に浮かぶは、ついに姉が再びスクールアイドルに戻れたあの瞬間(とき)
「ようこそ Aqours へ!」
あの言葉を、他の誰でもない自分から言えたこと。
その言葉をずっと待っていたかのように微笑んでくれた姉の姿。
あの瞬間・あの思い出こそ、ルビィがいま "ラブライブ!優勝" という眩い輝きを目指してAqoursのメンバーとして頑張るための、これ以上ない勇気の源なのです。
はじめは挫折もした。
廃校の運命を覆すことはできなかった。
それでも、姉と一緒にスクールアイドルとして輝くイマは、かけがえのないものだから。
この胸の中にある想いの積み重ねが、ルビィを支えてくれるから。
だから頑張れる。
貰った勇気の一つひとつが集まって、大きな勇気となって自分の力を目覚めさせてくれる。
ということで、以上が僕の考える ルビィが姉・ダイヤから貰った勇気 でした。
私の考えに納得がいかない部分があっても、それは構いません。
(むしろこういった考察は不慣れなものですから、思い込みが激しいと突っ込まれてしまう部分も多々あるかもしれません。)
でも、そのときはぜひ自分なりに 〈彼女が貰った勇気って一体なんなのか?〉 その答えを探してみてほしいのです。
このラブライブ!サンシャイン!! という物語を、黒澤姉妹という存在を愛する上で、それを考えないままにしておくのは、ちょっぴり勿体ないんじゃないかなって思っちゃうから。
冒頭にも書いたように、今週末(5/18日)までなら、youtubeの公式チャンネルから、これまで述べた全てのシーンを簡単に観返すことができます。
そして2期8話・9話を、黒澤姉妹をもっともっと好きになってもらえたら、それに優る喜びはありません。
#うちで輝こう
このハッシュタグに乗せて私が言いたかったことは以上です。
最後までお読みいただいたあなたに、今回も心からの感謝を。